「木の実」松山利夫、法政大学出版局、1982 より
(151ページ)
「野生植物の中でもっとも重要な主食糧源とされたトチは、
一般に優れた山果とされるクリよりも高価なものとなり、
一石あたりの価格が二円にも達する。当時の移入米一石が
約八円であったことからみて、トチは非常に高価な木の実
だったのである」
この記述は、明治27年頃の、白山に近い福井県内の山村での
こと。
よその土地で生産された米を買う値段の4分の1という金額は
決して安い値段ではないと思う。というかトチの実が当時の
山村では大変貴重なものであったということがよくわかる。